年末年始、体調を崩されたというお声を多くお伺いいたしますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
寒さも少し緩んできたので、体調がぐっと上向きになるといいのですが・・・。
さて、文章をしたためるのがあまり得意ではない女将、久々にブログの更新です。
今日はお店で扱うお酒、特に日本酒のことを綴りたいと思います。

お店やInstagramでも何度かお話ししておりますので記憶にある方もおられるかもしれませんが、旬菜しんで扱う日本酒は主に“食中酒”です。
固い定義があるわけではありませんが、
・お料理を引き立てるもの
・お料理に寄り添うもの
の2点を意識しています。
お料理を引き立てるもの、とは言い換えるとワインのマリアージュのようなイメージです。
そのお酒があると、味わいがぐっと良くなる。ついつい箸も盃も進む。
また、寄り添うもの、とは同調するイメージです。
味わいの濃さや香りの強弱が、そっと料理と合わさる。
特に主人の料理は柔らかな出汁と素材の旨味を引き出すような、最低限の味付けの優しい味わいの為、料理よりも強いトーンの極端に甘い・辛いお酒、というのはあまり仕入れません。
(そういったお酒は、自宅で佃煮やあたりめ・デザートと合わせて楽しんでいます)
その次に気を付けているのは、
・県や味わい、特定名称が重ならないこと
・コースを通してお酒も違うものを選べるような品揃えになること
私たちの好みだけで選びますと、つい似たようなお酒ばかりになりかねませんので、仕入れ先の酒屋さんと相談しながら季節やお料理に合わせて調整しています。
そして、お出しする上で一番気を付けているのは、仕入れたお酒が美味しく愉しめるうちだけお出しすること。
旬菜しんの日本酒の品揃えは常時7~10種。
生酒や無濾過生原酒など、火入れをしていないお酒も多く扱います。
開栓したてにピチピチと美味しいものや、徐々に味わいが開いてきて旨味が乗ってくるもの等、1本1本個性があり一概には申せませんが、こういったお酒が美味しく愉しめるのは長くても2週間と思います。開栓と共に味わいも徐々に移ろいます。
ご予約状況やご利用のシチュエーションなどによっては、日本酒ばかりが飲まれるわけではありません。残ってしまうこともありますが、売り切るのではなく毎度味を確認し、少しでも「あら?」と感じたものはお出ししません。たとえ半分以上残っていてもです。
もちろんお店の状況に応じて仕入れの加減をしているので、そうそう多量に売れ残ることはありませんが、美味しいうちに売り切れなかったときは潔くおしながきから下げます。
(感謝して自宅での晩酌にいただきます)
ですので特定の銘柄を常時というわけではなく、2週間ごとに違うお酒に入れ替わります。
「いつも違う銘柄で愉しみ」「知らないお酒と出逢えて嬉しい」と、楽しんでいただいている様子に私達の頬も緩みます。
ここまでこだわるのは、お料理に合わせてお酒を楽しんでほしいというのはもちろんですが、そのお酒の味わい以外のことで苦手になってほしくないとの想いからです。
1本の日本酒との出会いを、料理との食べ合わせが悪いためにお酒が苦く(辛く・甘く・濃く等)感じた、劣化していたためにまずく思われてしまった、といった、誰にとっても悲しい出来事にしたくない、味の好みで得手不得手は誰にでもあると思いますが、それ以外の要因を私たちが作り出さないよう、日々心を砕いています。
今日は日本酒について少々熱苦しく書いてしまいました。
お酒について書くと、お酒注文しないといけませんかと時々尋ねられるのですが、ソフトドリンクも同じくらいの熱量で揃えていますのでご安心下さいませ。
その他焼酎・果実酒・ワイン・ウイスキー、のお話はまた追々・・・。
明石でちょっと贅沢な和食を
旬菜しん
明石市鍛冶屋町1-8 楠ビル1階
078-940-9911
昼の部 11:30〜13:00(L.O)
夜の部 17:30〜19:30(L.O)
昼夜共前日までの要予約
定休日:水曜日
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